バナー
本文へジャンプ 2008月11日 

Htaoribeの縫製資料館   


(2)我が国における縫製工場

(2)我が国における縫製工場

 

繊維業界の、「川中」に位置する、縫製加工業種も、戦後、洋装の、衣類製造卸の発展とともに、色々な形で、発展してきた。

製造卸と縫製工場の関係は、この頃から続いている。

製造卸とは、アパレルメーカーのことである。

一般に、商品を計画的、継続的に生産し、流通させる企業の集団組織の事だと思う。

その歴史は、明治の初めから第二次世界大戦前まで、都市における唯一の衣服製造業者であり卸問屋でもあったが、当時は繊維産業の一部と見られず、その素材のほとんどは、輸入にまかなわれ、また、国内の繊維産業自体も糸や織物が中心で、衣料品があまり表にでていなかったせいもある。

戦後に入って、紡績、商社、問屋などの繊維産業部門からの進出もあり、

急激に、表舞台へと、注目しはじめたのだ。

製造卸は、その名の通り製造部門と卸機能を合わせ持っていて、その業者間の呼び名は、縫製メーカー、二次メーカー、二次製品メーカー、卸、問屋、など様々な表し方をしている。

戦後、繊維産業の衣類製造部門進出が進み、企業形態にも戦後三十年代になると国民の生活も安定して、衣料産業も急激な伸びをみせる。縫製工場とメーカーとの関係は、現在でもその骨組みとなる物は、同じであるが、様々な企業の進出によって、多種多様な変化を見せ、現在に至っている。

戦後の、下請け縫製業の様子は、本縫いミシン数台といった、貧弱な設備であり昔ながらの熟練した腕を頼りに縫製加工を行うといった状態だった。

五名から多くて二、三十名の工場がそのほとんどだったようだ。

仕事内容も、分業化されておらず、またメーカーからの発注も年間を通じて平均した物でなく季節的な変動が著しかった。

しかし、半世紀にもなろうとしている現在においても、各大手企業の海外生産進出に伴い、生産体制の基本は、原点に戻り生き残りの道を、考えなければならない時に来ている事を、実感している。

製造卸(メーカー)は、こうした、零細工場を、下請けとしてかかえ、生産時期の短期間に、多くの量とアイテムを生産していたのであるが、そのような工場を、規模に応じて何軒もかかえ、分割して納期に合わせ発注するため、当然、不揃いな商品が集まる結果となる。

縫製工場の職人気質にもより、一定の統一した製品を生産するに思うようにいかないこともあった。

そこで、三十年代後半ともなると、メーカーの自家専属工場の建設である。生産量の増加と期日までに均一化した、商品の生産力には、必然的にだれもが、到達する方法でもあった。

また、下請け工場の中でも、メーカーの品質に、適合できる能力のある工場と、そうでない工場との格差が生じ、適合出来た工場は、さらに大きく発展する代わり、消滅していった工場も多く、昔ながらの、問屋と下請け的な関係が次第に無くなり、現在のような、仕事上の取引会社との関係になり、協力工場との意識が強くなってきた。

また、大手企業は、自社工場の建設に力を入れるようになって行くが、問題がなかった訳ではない。

現在でも、その多くメーカーは、協力工場に発注して、短期間に、多くのアイテム、数量を生産をしている。

これは何も、アパレルメーカーと縫製工場との関係だけの話ではない。

メーカーの中には、色々な企業の参入も含まれるが、生地メーカーも、その例外ではなく、テキスタイルとアパレルメーカーの両方している企業も少なくない。

普通、生地メーカーが、洋服を企画する場合に、自社のオリジナル生地を使用して、製品を企画するように思うが、ほとんどの生地メーカーの製品部は他社から、素材を購入している。

そのように製品の多種多様化、大量生産に伴い、お互い矛盾した作用を及ぼすようになる

多くのアイテムを一企業の自社生産体制で短期間で、扱うことは到底不可能なこととなる。

消費の多様化、多種多様なアイテムの市場への対応に手がける程、販売戦力に有利になり、反対に、自社工場側では、同一のアイテムをロット生産する方が、効率が良いのは当然であり、

企業内での、企画製造に於いての矛盾を解決するためには、外注協力工場との生産体制は不可欠のものとなり、大手メーカーの中では、企業管理の問題で自社工場を思いとどまった企業も多くなかった。

これは、販売する商品の種類によっても、違ってくる。

時代と時期は違えども、現在に於いて、この中堅クラスの工場に深刻な事態が起きてきた。

順調に延びてきた工場も、ここ四ー五年の間に、消えている工場も多く、単に老齢化だけの問題ではなく、仕事の流れが変わったのも事実である。

以前は、国内での、品質、均一生産性の問題で、淘汰された問題であったが、

海外生産移行の問題も、影響している。

国内の従業員賃金の問題、商品コストと加工賃金の問題、この外注縫製工場としての経営に

果たしてどのように、対処していくか、戦後三十年代の、原点の時代に、何かヒントがあればと思うのだが、多様化されたファッションの中で、消費者の購買意識の弱い今、いかに、企業の発展を維持していくか、また、いかに国内の協力縫製工場が生き残っていくか、国内の外注協力縫製業界は、ミシン販売会社など関連会社も含め、今試練の時を迎えている。

hataoribe

 

参考資料 リンク

Web上で公開されている日本の縫製に関してのWEB紹介です。
公開Webと理解し、各々Web先にはご連絡なしに、リンクしております。
ご都合が悪ければ、ご連絡いただければ、速やかに削除致します。
                              hataoribe
(現在参考リンクは、ありません。)

リンクURL      
データ セル データ セル    
       
       



inserted by FC2 system